竿作り・修理の知識【ブランクの選び方】
ブランクとは、竿の芯となる部分で、使用する用途によって適したブランクを選ぶ必要があります。ブランクの素材には、主にカーボン素材とグラス素材が存在します。
素材の違いについて
カーボン素材の特徴は反発力が強く、一定の曲がり負荷には非常に強い強度を発揮します。カーボン素材の中でも、弾性(反発力)が違う素材が存在し、高弾性のカーボンは、必要な硬さを出すために必要なカーボン量が少なく、軽量化、操作性、感度、飛距離、パワーに優れます。
低弾性のカーボンは必要な硬さを出すために必要なカーボン量が増え、重くなりますが魚の引きを吸収しやすくバレにくく、食い込みも良くなります。カーボン量が多い分、肉厚なため傷による破損にも強くなり、高弾性カーボンに比べ金額も安価。
カーボン素材の弾性の違いは、単純にカーボンの種類の違い。1ミリ四方のカーボンの束を2倍に引き伸ばすのに必要な力によって強さの種類が分けられており、種類の違いをトン(t)数で区別させ、表記したりもします。数が大きければ大きいほど弾性が強くなります。
さらに弾性が低いのがグラス素材。中空ではないソリッド素材のため、重さはあるが強度にも優れ、主に置き竿での船の釣りに使用されることが多いです。
素材 |
反発力
|
軽さ
|
感度
|
食込み、バレにくさ
|
傷による破損
|
金額
|
高弾性カーボン |
◎ |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
△ |
低弾性カーボン |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
グラスソリッド |
△ |
△ |
△ |
◎ |
◎ |
◎ |
船用グラスソリッドの選び方(Aグラス・Bグラス)
●AグラスとBグラスの違いは?
Aグラスは、Bグラスに比べ素材に含まれるグラス繊維が少なく、反発の弱い低弾性になります。
Bグラスは、Aグラスよりも張りの強い素材になります。
Aグラスは元から数センチストレートを残し、そこから一気に穂先まで削り出します。
Bグラスは元から数センチストレートを残し、穂先に向け2段3段とテーパーをかけ削り出します。
大よそですが、Aグラスは6:4 Bグラスは7:3 の調子となります。
※下記の表はおおよその目安です。
元径(mm) |
錘負荷(号) |
主な用途 |
7~8 |
40~60号 |
アジ・サバ・イサキ・太刀魚など
|
9~10 |
80~120号 |
イサキ・マダイなど |
11~12 |
100~200号 |
青物や中深海など |
13~14 |
100~300号 |
カツオ・中深海~深海など |
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