竿作り・修理の知識【ウレタン塗料】
用途
釣竿、ルアーの塗装など
特長
ウレタン塗料には1液タイプと2液タイプがあります。
共通の特徴としては、「硬化後、溶剤等の薬品に侵されることはない」「光沢性が強い」「肉持ちが良い」などが挙げられます。
また塗装を重ねていくことで、別々の層を形成していくことになるため、層と層の間で剥離が起こる場合があります。
1液ウレタン塗料
2液ウレタン塗料
1液ウレタン薄め液
2液ウレタン薄め液
スプレータイプ
■1液ウレタン
使用方法 |
一液の為、手軽に使用することができる。 必要に応じて専用シンナーで希釈して使用することができる。
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透明度 |
最近では無黄変タイプのものもあるが、一般的には時間がたつと若干黄ばんでくるものが多い。
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硬さ |
塗料によって違いがあり、若干の弾力性をもつものやかなり硬くなるものまである。
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硬化方法 |
空気中の湿気に反応して硬化する「湿気硬化型」 |
使用期限 |
商品によって使用できる期間は違うが、湿気に反応して硬化するため、蓋の開け閉めが多いほど硬化が早くなる。 最終的には容器の中でドロドロになり、使用できなくなる。
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主な用途 |
ルアーのコーティング。 おもにドブ漬け(ディッピング)で使用されることが多いが、エアブラシでの塗装ももちろん可能。
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■2液ウレタン
使用方法 |
主剤と硬化剤を混ぜて使用する。 必要に応じて専用のシンナーで希釈して使用することができる。
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透明度 |
無黄変タイプのものが多く、時間がたっても変色することがない。
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硬さ |
硬化後も適度な硬度と柔軟性があるものが多い。 そのため柔らかい釣り竿に塗装しても割れることはほとんどない。
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硬化方法 |
主剤に硬化剤を混ぜることによって硬化する「化学反応型」
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使用期限 |
2つの液を混ぜなければ硬化しないが、「硬化剤」は時間がたつと単体で粘土が高くなる物が多く、最終的には使用できなくなる。 主剤はかなり保存がきくので硬化剤単体で購入できれば使用できる。
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主な用途 |
硬化後、曲げても割れにくいことから釣り竿の塗装に使用されることが多い。 基本的にメーカーの釣り竿もこの手の塗料で塗装されている。
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上図が大まかな2種の相違点ですが、1液ウレタンもかなり進化してきており、透明度に関しては完全無黄変タイプのものも出てきています。また1液タイプはクリヤーのみの設定がほとんどですが、2液タイプはクリヤーの他、各種カラーがラインナップされているものが多いです。
2液の混合比率は種類によって様々ですが、添加する硬化剤が若干多くても少なくても硬化はします。ただ、正確でないと本来の硬度が出ない場合もあるのでしっかり計量しなくてはいけません。
塗り方
1液タイプはドブ漬けで使用する場合が多いですが、原液のまま筆塗りも可能です。その場合、別の容器に小分けにし使用します。そのまま使用すると、空気に触れる時間が長くなりどんどん硬化が進んでしまいます。
専用シンナーで希釈することによって塗りやすくしたり、硬化を遅らせ使用可能時間(可使時間orポットライフという)を長くする事ができます。
ルアー作りの際には希釈した1液ウレタンをエアブラシで拭きつけ「色止め」作業もおこなうことができます。
2液タイプも混合後、筆塗りやエアブラシ・エアガン等での塗装が可能です。
ただ、2液タイプはその性質上、ドブ漬けで使用されることはまずありません。
また硬化剤の添加量はその塗料によって様々で、主剤100に対し、100%、50%、25%、10%などがあります。基本的には硬化剤の添加量が多い物ほど硬化後の硬さが強くなる傾向にあるようです。
また色付きのウレタンの場合、硬化剤の量が少ないタイプの方が、顔料が占める割合が大きくなる為発色がよくなる傾向があります。
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